合気道開祖 植芝盛平翁(1883〜1969)
合気道開祖 植芝盛平伝「武の真人」(砂泊兼基著)より 
武道とは、腕力や凶器をふるって相手の人間を倒したり、原子兵器などで世界を破壊に導くことではない。真の武道とは、宇宙の気をととのえ、世界の平和を守り、森羅万象を正しく産み、守り、育てる神の愛の力を、わが心身の内で鍛練することである。
大天主皇大御神(もとつみあやすめおおかみ)の「愛」の心から、光と熱がほとばしり出て、偉大なる力を生ずる。との大神の御はたらきが即ち武産(たけむす)である。これを速武産大神(はやたけむすのおおかみ)とも呼ぶのである。
この速武産大神こそ、大天主皇大御神の「愛」の御はたらきの現れとして、大宇宙の森羅万象を産み出す現象そのものであり、同時にまた、大宇宙をも破壊しえる力を持つ原子の活動そのものである。また、この武産の武道こそ、天地人を和合せしめる神の大道なのである。
合気道は無抵抗主義である。無抵抗なるが故に、初めから勝っているのである。
邪気のある人間、争う心のある人間は、はじめから負けているのである。
では、如何にしたら、己の邪気をはらい、心を清くして、宇宙森羅万象の活動と調和することが出来るのか?それにはまず、神の心を己の心とすることである。神の心とは何か?それは、上下四方、古往今来、宇宙のすみずみまでに及ぶ偉大なる「愛」である。
合気道開祖 植芝盛平伝「武の真人」(砂泊兼基著)より 
合気の働きは「神」のはたらきそのものであるから無限である。したがって、人がこの道を体に現すのも限りはないのである。
大日本武道宣揚会当時の会長出口日出麿師は、合気道の限りを知らない道を行う門弟を以って合気道の正統を継ぐ者としている。現在、道を開発進展している門人を、出口日出麿師は砂泊カン秀を以って開祖植芝盛平翁の意志を継ぐ者であるというお言葉を給わっている。
合気道の技の姿は変化して行く、合気道は世界に広がって行く、と開祖は生前より言われていたが、今や世界的に広がってゆきつつある。また、開祖の技は進歩変化していった。開祖は大大本教の出口王仁三郎聖師より伝授された、鎮魂帰神の秘法によって霊覚を得られ、多くの神様、武神霊の御守護を頂き、神霊との交流をするようになったと、筆者に話されたことがある。開祖の技の変化もそのような因をなしていたのである。砂泊カン秀の「技」の進歩発展も植芝盛平先生のあり方を受け継いだ現れである。
合気のあり方は「言霊」の体現である。「言霊」の体現は合気である。それは、真理に直結した、合気のあり方である。
「技」において「動くな」と言えば不動の状態に肉体が動かなくなるのである。筆者の門人の一人はそういう「技」を幾度か実演している。
合気道は無限の「神」の真理の人が体現する道であるから、その修行は難事中の難事である。